ジャズピアノ練習法と経営改革

前回のブログで、自分にピッタリ合うジャズピアノのN先生に巡り合えたこと
を報告した。昨日は、その初レッスン日。最初の課題曲は、前回お会いした時に先生と相談してスタンダードの名曲「酒とバラの日々」と決めてある。

 

N先生の指示通り「白紙の五線紙だけ」を持って教室に行く。
先生は、ジャズピアノ教則本の中から、「酒とバラの日々」の楽譜をちらっと
見せたが「私は出来合いの楽譜は使わない。これから一緒に曲のコード進行を
決めていきましょう」と言う。

 

まずキーをFに決める。次にコード(和音)の進行を先生と確認しながら白紙の
五線紙に書き込んでいく。曲全体のコード進行が確定したら、先生は、コードをどう弾いたらジャズとして魅力的な音が出せるかの経験則を教えてくれる。たとえば、この曲の最初のコードはFであるが、左手でファラドと弾いてしまうとジャズっぽくない。ミソラドと弾けばよいと教えてくれる。N先生は、なぜファラドが駄目でミソラドが良いのかという理由をきちんと説明してくれる。コードはF(ファ)が根音(Root)なのに、ファは弾かない方がジャズっぽいのだという。まさに目から鱗であった。

 

先生は、いくつかの経験則を理由とともに教えてくれた後、あとは自分で楽譜を完成させなさい。楽譜の表記方法は、五線紙でなくてもよい。自分が分かりやすい方法で作りなさいとのこと。私はN先生の教え方に深く納得し、猛烈なやる気が湧いてきた。

 

考えてみると、N先生の手法は、私が考える企業(組織)改革のアプローチと
たいへんよく似ている。良くあるのが、改革推進事務局が立派な改革案の資料を作成して大会議を招集する。会議でさしたる異論も出なかったので改革案は決定、承認されたことになるが、その後いっこうに改革は進まないというケースである。

 

会議でさしたる異論が出なかったから、関係部門はみんな納得しているかというと必ずしもそうでないことはよくある。事務局側は、予め予想される質問、異論に対して周到な想定問答を準備しているので、会議の席上で質問しても、理論武装した事務局にすぐに切り返されることが多いのだ。こういう会議が日常化している会社では、出席者が疑問や異論を持っていても黙っていることが多い。この結果、関係者は納得していないのに、表面的には会議で改革案が承認決定されたことになる。

 

ピアノの教授法に戻るが、一般のピアノ教室では、それがジャズであっても
生徒に楽譜(立派な資料)を渡して「この通り弾きましょう」とやる。しかし、N先生の教授法は、生徒のコードの弾き方がなぜジャズっぽく響かないかの
真因(Root Cause)を生徒と一緒になって究明した上で、あとは自分で曲を組み立てなさいというものだ。

 

経営改革の場合も、事務局が作った改革案を大会議で決定するよりも、関係者が合宿で十分話し合い、自分たちが改革案を考え合意する方が、その後の実行性においてはるかに優っている。

 

ジャズピアノ練習法と経営改革、意外にも共通点が多かった。さあ、ピアノの練習も頑張ろう!